2019年2月16日土曜日

FACTFULNESS

現実の世界について数字で語りかけてくる本です。
数字なので僕好みでした。
いくつかの人間が思い込みがちな事柄について本能として描かれており、その本能的に思い込んでいる世界に対する見方が、実態とどのように乖離しているのかを各本能ごとに説明していく形で各章が構成されている。
世界というのは国とそこに暮らす人々についてである。
各章の最後にはまとめがあり文章も読みやすいものになっている。
  1. 分断本能
    1. 本当に分断があるのか?大多数はどこにいるのか?を考える
    2. 平均の比較があったら分布を重ねよう
    3. 金持ちから見たらみんな貧乏人だが、貧乏にもレベルがあって購買力や教育にかけられるお金など違いがある。
  2. ネガティブ本能
    1. ネガティブなニュースのほうが耳に残りやすい
    2. 悪いけど改善している。は存在しうる
    3. 良いことはニュースにならない
    4. ゆっくりとした変化はニュースにならない
    5. 悪いニュースが増えたことが悪いことが増えたことにはならない
    6. 過去は美化される
  3. 直線本能
    1. グラフは必ずしも真っ直ぐではない
    2. S字や滑り台の形のフラフもある
  4. 恐怖本能
    1. リスクを正しく計算しよう。恐ろしいことには自然と目が行くもの
    2. メディなどのフィルタによって世界を必要以上に恐ろしく見ない。現実をさがす
    3. リスクは、頻度x危険度で決まる。恐ろしいかどうかは関係がない
    4. パニックになっていそうだったら落ち着いてから行動しよう
  5. 過大本能
    1. 特定の数字の大きさだけに惑わされないこと
    2. 大きすぎるもと思ったら比較しよう
    3. 数値が並んでいたら大きいものだけ見よう
    4. 割合を考えてみよう
  6. パターン化本能
    1. パターンが根拠になっていたら気をつけよう。そのときには分類を考える
    2. 同一グループ内でも違いがある。それを探そう
    3. 違うように分類されたグループにも共通点があるので探そう
    4. 過半数と言われたた気をつけよう99%か51%か
    5. 強烈なイメージは例外かも?
    6. 自分以外もかしこい。賢いやり方か自問しよう
  7. 宿命本能
    1. 宿命に思えることでも変化していることがある
    2. 小さな進歩を追いかける
    3. 知識にも賞味期限がある。更新しよう
    4. 文化が変わった例を歴史から調べよう
  8. 単純化本能
    1. 何でもかんでも同じ道具で処理しようとせずに、道具箱にいろんな道具を入れておこう
    2. 違う意見の人からフィードバックを貰おう
  9. 犯人探本能
    1. 見せしめだと感じたらやめよう
    2. 犯人ではなく原因を探そう
  10. 焦り本能
    1. 今すぐ決める。のはやめよう。即決が必要なことなどほぼない。
    2. 焦りそうなら深呼吸をしよう。今すぐやらなくても次のチャンスが有るのが普通
    3. 重要で正確なデータだけを見よう。重要だけど正確じゃないもの。正確だけど重要でないケースは木にする必要はない。
3択問題で、チンパンジーよりも正答率が低いものがあるということが、思い込みの中で生きているのだということがわかって良い。
生活レベルの話はとても良い。レベル4の我々からしたら、他はすべて貧困だが、実態としてはレベルが4つに別れており、1~3にも緩やかな発展と違いがあるということが認識する必要がある。
レベル1のひとからしたらレベル2はとても豊かなのである。

僕は著者を知らなかったけど、有名な方みたいです。
最後に著者が亡くなられていることが記載されており、いい本を書いた人が他界していて、物語としてもドラマチックになっている。

2019年1月2日水曜日

日本国紀

良い本です。学生の歴史の授業の副読本になってもよいのではないかと思います。
神話の時代から現代に至るまでが網羅されている。
著者の思いも綴られているので、客観的かと言われると微妙な面もあるが、だからこそ読み物としては面白いです。
日本の歴史の概要をこの本で読んで疑問に思うのは、江戸の末期から明治にかけて実力主義で明治維新を成し遂げて、ロシアと戦争して勝つほどに近代化を成し遂げた人たちの次の世代が、昭和に入って官僚主義や言霊主義などに染まって、無能とも思える判断をする集団になってしまったのかということだ。
本からは、世界恐慌の影響による経済的な不満が国民に溜まっているところでの軍人のクーデターがあり、それを許容する世論に後押しされる形で、軍人が政治に介入するようになってから日本がおかしくなったようだ。
もともとは、軍人と政治家は一つであったが、分業した後の軍人は、現実的な計画を立てることができなかったのであろうか。それだとしたら、軍人としてずいぶんと無能であるが、なんで現実主義者が育たなかったのが、やはり疑問として残る。

追記:
なんだか事実誤認があるとかコピペがあるとかいろいろ話題にもなっているようである。
読み手としては事実ならばコピペなんて気にならないけど、事実でない内容はちょっと困りものである。やはり単なるエンタメですかね。

追記2:
日本人とは何か。神話の世界から近代まで、その行動原理を探る
の方が内容が濃いです。日本国紀は少々内容が薄いと感じました。

2018年10月23日火曜日

ドキュメント トヨタの製品開発: トヨタ主査制度の戦略,開発,制覇の記録

良書だと思います。
トヨタの製品開発について物語調で描かれている。その内容についての解説もあるので読みやすいし参考になる。
トヨタの製品開発における主査の役割をメインに描かれている。今で言うプロダクトマネージャーがトヨタでは主査と呼ばれているようである。
主査が一つの製品の取りまとめを行うが、組織上のヒエラルキーの上にいるわけではないので、行動の価値を各部署に説明し納得してもらって製品を作るというところなど、まさにプロダクトマネージャーといった感じである。
海外のプロダクトマネージャーの本を読んだあとにこの本を読むとトヨタの凄さが分かる。
ただ、主査がすべてを把握しなければならないので主査が把握できる限界値が作れる製品の限界値のようなやり方であるとも言える。
日本は車は作れるけどロケットは作れない。なぜならシステム化が苦手だから。みたいなのを読んだことがあるが、ソフトウェアも大規模化することでシステマチックに開発しないと世の中の大きな会社には勝てないのかもしれないと感じた、
とはいえ、この本は良い本です、

2018年10月18日木曜日

ドリルを売るには穴を売れ

有名なマーケティングの本です。
内容としては読みやすくて面白いです。
単純に読み物としても楽しめます。
何かを提供して対価を得るためにすべき基本的な事というか当たり前にすべきことが書いてあります。
何を、誰に、何故、どうやって、売るのか?
これが明確になっており一貫性があることが原則のようです。
これらについて各章ごとに物語と合わせて解説してくれます。
たぶんこれが守らているからと言って必ず売れるわけではないのだろうけれども、商売をうまくするためには必要なことのようです。


最強囲碁AI アルファ碁 解体新書 増補改訂版 アルファ碁ゼロ対応 深層学習、モンテカルロ木探索、強化学習から見たその仕組み

ニューラルネットワークなどあまり知らない人間が読むのに良いと思う。内容的にも楽しめたし、深層学習の概要について概ねつかめるのではないかと思う。
ニューラルネットワークで層を多くしていった時に発生する問題の解決策が重みの計算の単純化などであり、それがブレイクスルーになったといった内容は興味深いものだった。
一見すると複雑な計算をした方が良さそうに感じてしまうが、数値計算をしてみるとそうでもないのである。
前半でアルファ碁が生まれた背景などに触れられていたりしており、後半につれて内容がより深くなっていくので、前半だけ読むだけでも十分楽しめると思う。


2018年10月16日火曜日

生涯投資家

おじさんならわかると思うが、村上ファンドで有名な村上さんの本。
ライブドアで悪目立ちしたホリエモンのとばっちりで逮捕された感が当時もしたが、本を読むとホリエモンのことを評価しつつもリスクとりすぎで驚いたなどと言っており、それなりに距離感があったのかもななどど思う。
自分が正しいと思っている価値観の通りに他の人間も行動しないと我慢できない性分なのだなと読み取れるし、自分でも自覚している模様。
悪い人ではないとこは分かるし、テレビで目立っていた当時も金儲けのために目立っていたのではなく、世の中を良くしたいという善意というか使命感からの行動であったということは本からわかる。
ただ、当時のテレビの感じを知らないと本としては楽しめないと思うし、コーポレート・ガバナンスがなぜ重要なのかとかそれが会社の評価と使えるお金の量にどう関連するのかなどが全く記述されていないので内容としては薄く感じる。

2018年10月2日火曜日

ソフトウェア工学の基礎

自分が読んだのは岩波書店の本であるが、良い本だと思う。
網羅的にソフトウェア開発の全体像が書いてある。
ソフトウェア開発を実践で行ったことがある人が読むと自分の体験が整理されるのではないかと思う。
それと同時に、この本に書かれているような当たり前のことが実際のソフトウェアの開発現場においては出来ていないということもわかると思う。
要求と具体的な実装との間のコミュニケーションをどのように行うのかというようなことについて設計について記述されていると思う。そこから実装、保守へと本の内容が進んでいく。
最終的には保守のコストを下げるべく再利用可能なソフトウェアの構築に言及されてはいるが、具体的なことは、組織として取り組む必要があると言いったことだけであるが、それは本の分量的に仕方がないことかと思う。
一読の価値はあるし、手元においてくと良い本かと思う。