2022年3月22日火曜日

一下級将校の見た帝国陸軍

日本が持っている組織の問題を浮き彫りにしていると思う。

現代の日本的な製造業企業にも同様の特著が見られるとは思う。

大きな単位の軍隊がある。ただし第○軍は欠。といった具合で、表現だけの帳尻を合わせて実態が伴っていなかったり、員数と言って数の帳尻さえあっていれば実態はよいなどなど。

実態と報告書が乖離している。


若い将校が自分の地位を勘違いして、ズボンのチャックまで部下に降ろさせるようなことまであったらしいから恐ろしいが、そのような状況は現代日本でもいくらか残っている気がする。

誰が命令を出したのか、本当に出したのか疑心暗鬼になって信用ができないなどは、流石にないにしても、命令系統がはっきりせずに、誰が決定権を持っているのか全くわからないというのは、現代の日本の会社においても往々にしてあると思う。

計画や評価の仕組みを整えずに、現場に任せてしまっている状態で報告自体も信用できなくなり、当然仕組みを作ることなどできずに全体が崩壊していくというのもである。

本書に書かれていることは比較的に、日本の組織全体に言えることなのではないかという気がしてくる。

古き良き日本企業というのに務めているのであれば一読の価値はあると思う。