2021年7月31日土曜日

プロジェクトマネジメントのトリセツ

 会話形式で書かれていて、面白いが基本的なプロジェクトマネジメントの手法については抑えられていて、素早く基礎知識を得るには良かったおともう。


長期のプロジェクトでは複数のフェーズを分ける。フェーズごとにサイクルを回していく。


  • 前提条件:
  • 制約条件
  • 作業計画(WBS)
  • スケジュール(Gant chart)
  • オーナー
  • ステークホルダー
  • コミュニケーションチャネル
これらを明確にしないと始まらない。

フェーズわけとしては
  1. 企画
    1. コンセプト
    2. テーマ
  2. 基本設計
    1. 全体構造
    2. 全体と部分の関係
  3. 詳細設計
    1. 詳細な設計
    2. コストの計算
  4. 実装
  5. 運用
こういったわけ方がある。
それぞれのフェーズ内にライフサイクルがあり
  1. 立ち上げ
    1. 活動を始めることを明確にする
  2. 計画
    1. スコープを明確にして、計画を作成する
  3. 実行
    1. 経営資源を有効に活用する
  4. コントロール
    1. 目的と合致した成果が生み出せているのかのモニタリングを行う
  5. 終結
    1. 納品や成果報告を行い完了する
WBSで作業を細分化して、それをもとにgantを作る
PERT(Program Evaluation and Review Technique)を利用してクリティカルパスを明確にするのもある。
複数の作業者がいる場合はWBSの横軸に担当を入れてTRMを作成するのが良い。

計画時にリスクマネジメントについても考えておきたい。

テーマ設定とマスタープランの流れと項目は図を入れておく










2021年7月20日火曜日

HIGH OUTPUT MANAGEMENT

 やっと読んだ。

読みつがれているというだけあって、名著に分類されると思う。

最初の方は、工場の立ち上げ等を例にとっているが、現代のソフトウェアの会社にも応用できる内容だと思う。

マナエージャーの仕事は、その担当組織のアウトプットを最大化することで、自分の組織や部下のアウトプットを最大化することに費やされているのか?ということが常に問われ続けるべきだということだ。
正直、耳が痛い面もある。自分の行動が常にそうだとも言えない気もする。

また、社内だけではなく業界にアンテナを張り続けているのか?

新しいアイディアを自ら試しているのか?

こういうのは基本だと思う。


例として、朝食工場を例にしており、これは製造業の工程管理に関して具体的なものであると思う。だが、ソフトウェアの現場でそのまま利用できるかと言うとそうでもないと思う。


レポートの作成の意味としては、作成者が厳密にレポートを作成をすることにより業務の確認処理が行われる効果もある。

情報収集は、マネージャーが自分で歩いて回って詰めたほうが効率的なことも多い。

情報収集は式決定のために必要なものであり、マネージャーが行うべき基礎。

また、自分の意見を伝えたり、意思決定の方法のアドバイスをしたりとかはナッジング(ツッツキ)という。


マネージャーが部下の進捗をモニタリングするのは当然の業務である。
ただ、頻度が重要になる。部下が初めてやる作業なら、高頻度でモニタリングが必要だし、なれているなら最終チェックだけで良いかもしれない。
担当者の習熟度によって変える必要がある。


ミーティングは、効果的に行われて行く必要がある。


プロセス中心ミーティング
定期的に行われて、情報交換や共有等が行われる必要がある。
1on1、スタッフミーティング、業務検討会

1on1
相互に教えたり、情報を交換することにある。
部下から、自分の専門ではない分野について教えてもらうのもよい。
頻度は、相手によって変えて良い。未熟なら週に一回。ベテランなら2,3週間に1回など。
部下に準備してもらい、部下のオフィスに出向いてやるのがよい。

スタッフミーティング
2人以上に関連する議論ならば何でも良いが、議題を決めて行うのがよい。
また、反対意見を持つ人間がいつほうが、問題が浮き彫りになりよい。
リーダーは、議題を起動に載せて、メンバーが課題の解決の担当になるように話をまとめて意思決定することだ。
出席者は、部下と上司でありお互いのことを知っている。

業務検討会
まり交流のない人どうしのための意見交換の場。
1on1も、スタッフミーティングも一緒にする機会のない人同士の、教育と学習を継続して行うことを目的とする。
主催するマネージャーは、発表者を助けるために、何を強調すべきか、何に触れるべきではないのか。などを助ける必要がある。
検討するマネージャーは積極的に質問するなどの盛り上げ役もやらねばならない。


使命中心のミーティング
特定の成果を上げるための会議。
司会者が招集する。何をする会議なのか?最終的な意思決定は何がなされていなければならないか?等が明確でない限りは招集すべきではない。

使命中心のミーティングが25%以上になったら、組織不全の兆候といえる。


意思決定の場

意思決定では、上司と部下とかが関係なく意見を言えるべきだ。
テクノロジー分野では、若い人ほど最新知識に精通している傾向があり、マネージャーの知識は陳腐化していることが多い。ミドルマネジャーは、その両方を繋ぐ役割も期待されている。
・どのような意思決定をする必要があるのか?
・それはいつ決めなければならないのか?
・誰が決めるのか?
・意思決定する前に相談する必要があるのはだれか?
・その意思決定を承認あるいは否認するのはだれか?
・その意思決定を知らせる必要がある人はだれか?

プランニング

環境の要求するもの。
現状は何が求められているのか?また1年後には何が求められるのか?その時の差分はなにか?
こういったことがわからないと計画が立てられない。

現状の把握
現在の仕掛りのプロジェクトと可能な作業の能力を把握する必要がある。

ギャップを埋める
ギャップを埋めるために何をする必要があるのかを明らかにする段階があり、その次に何ができるのかを明らかにする段階がある。出来ないことを求めても仕方がないしということだ。

最終的には、どんな影響をいつ与えられるのか?などの尺度で、実際に実施することを決める。
この決めた項目と、実際の行動がアウトプットになる。

組織

組織は、使命を中心として事業組織と機能を提供する機能組織のハイブリットなる。
ソフトウェアの場合でも、エンジニアは機能組織となると思う。
すべてを事業中心にすべきではない。
共通の知識を蓄えて、横展開したりなど、てこ作用を発揮しにくくなるからだ。
事業部のリソースの取り合いは発生するが、バランスを取りながら、両方を持つことが必要となる。

専門技能を提供する組織にも所属している人が事業部にも所属して、内部リソースの調整を行う。
ただ、具体的な調整の方法等は書かれていない。
意思決定の際にあった、いつ決めるとどれだけ効果があるのかなどが鍵になるのだろうか?それとも機能組織のポストのパワーだろうか。

2面組織などとも表現されてはいるが、結局は本務と横のつながりを作るための組織の2つに所属するということだ。
ただ、かなり高度なセルフマネジメントは必要になるので、実際に手を動かしているような人の場合は、不適切かも。


組織コントロール

この部分はちょっとソフトウェアの開発には不向きかも。
ゲームのように競争を煽るような指標を出すのもよいが、それが成果につながるかは、仕事の内容による。


習熟度によって関わり方は変える必要がある。

低:いつ、どこで、何を、どうするのか?などを明確に示す
中:お互いの判断力を信頼して、話しながら決める
高:目標の設定のみをして、モニタリングするだけ

日常ご有無ではモニタリングをすればいいだけの相手でも、緊急時にはすべてを細かく指示する必要にも迫られる。遠慮してはいけない。


考課
相手に率直に伝える必要がある。
思いつくものをすべて洗い出し、最後に重要でないもの。業績の向上に役に立ちそうもない。もしくは、優先度の低いものを消して伝えるようにする。
たくさんのことを伝えられると混乱するからだ。
2つまでに集中したほうがよい。

辞めようとしている人間を引き止めるのであれば、すべての予定をキャンセルして話を聞かなければならない。
相手に重要な問題だと認識しているときちんと伝えなければならない。


点数表

100点で優れている

〈生産関係〉

■工程、組立て、試験生産というように自分の仕事の業務内容をはっきりさせる。 10点 

■現在取りかかっているプロジェクトの中で制約的ステップとなっている困難な点を見つけ、それを中心にした仕事の流れを描く。 10点 

■自分の仕事の中で受入れ検査、仕掛り検査、最終検査を行なうのに適切な場を規定し、かつ、これらの検査が処理段階をモニターするものなのか、遮断式のものなのかを決める。また、基準を緩めて可変的(弾力的)検査方式に移れる条件を明らかにする。 10点 

■グループのアウトプットを測るための6つの新しいインディケーターを見出す。ただし、それらはアウトプットを量的にも質的にも測定できるものであること。 10点 

■仕事の場でこのインディケーターを定例的に使ってチェックする習慣をつける。また、スタッフ・ミーティングでもこの検討を定期的に行なう。 20点

■いま一番力を入れている最重要の戦略(行動計画)は何か。それを必要とした環境からの要請と、現在の状況や、事態の動きはどうか。もしこの戦略を成功裡に実施できたなら、あなたや会社にとって満足すべき状態が結果として現われてくると思うか。 20点 

〈テコ作用〉 

■一番退屈で時間のかかる仕事の簡素化を実施する。全関連作業手順の少なくとも3割を省略する。 10点 

■自分のアウトプットを明確化する。つまり自分が管理し、また影響力を及ぼしている組織のアウトプットの構成要素は何か。重要度順にリスト・アップする。 10点 

■情報や知識を収集する方法を分析する。〝見出し〟〝新聞記事〟〝報道週刊誌〟のバランスはどうか。重複しているか。 10点 

■〝旅〟に出てみる。その後、旅の途中で出会った人々との交流や取引を列挙する。 10点 ■1カ月に一度は〝口実〟を見つけて旅に出るようにする。 10点 ■部下に次に任せようとしている仕事はどのようにしてモニターするつもりかを書き出す。何をいかにして見ているか、また、どの程度の頻度か。 10点 

■ゆとりが生じたときにこなせるプロジェクトの一覧表をつくり出す。 10点

■部下の一人ひとりとワン・オン・ワン・ミーティングをスケジュールを決めて行なう。(ワン・オン・ワン・ミーティングとはどういうものであるかを事前に説明し、準備させる) 20点 

■カレンダーで先週のところを見る。活動を、重要性(テコ作用)の低いもの、中程度のもの、最重要のものに分類する。最重要に入るものをもっと多くするための行動計画を作成する。(どの活動を減らすことにするか) 10点 

■次週の時間面での困難さを予測してみる。どのくらいの時間がミーティングに取られると思うか。どれがプロセス中心ミーティングで、どれが使命中心のミーティングか。もしも後者が自分の時間の25パーセント以上を占めているなら、それを減らすにはどうしたらよいか。 10点 

■向こう3カ月間、組織にとって最も重要な目標は何かを明確化する。キー・リザルトが出るようにそれを推進する。20点

■前記の事柄を部下とも充分討議した後に同様にやらせる。 20点 

■自分の責任範囲だが未処理になっている決定がいくつあるかをリスト・アップする。そのうち3つを選び、6つの質問法を用いて意思決定の仕方の筋道を立てる。 10点 

〈業績達成〉 

■マズローの欲求段階説に従って自分の動機の状態を評価してみる。ついで部下のやる気についても同様に行なう。 10点 

■部下に競争のルールを説明し導入する。つまり業績達成基準を示すための一連のインディケーターを決める。 20点

■部下に、タスク関連のフィードバックを与える場合、 どういうやり方があるか、その様々なやり方をリスト・アップする。 そのフィードバックを基にどのくらい進歩したかをどれだけうまく把握できるか。10点

■部下一人ひとりのタスク習熟度を低い、中位、高いに分類する。それぞれにふさわしいマネジメント・スタイルを評価す る。今、自分の用いているマネジメント・スタイルをあるべきスタイルと比較する。10点

■一番最近に上司から受け取った考課と、部下に与えたタスク関連のフィードバックとしての一番新しい考課を評価する。 それは業績を向上するのにどのくらい役立ったか。それを行なうときのコミュニケーションのやり方は、どんな状態のも のであったか。20点

■こうした考課を理想的な形でやり直してみる 10点