数字なので僕好みでした。
いくつかの人間が思い込みがちな事柄について本能として描かれており、その本能的に思い込んでいる世界に対する見方が、実態とどのように乖離しているのかを各本能ごとに説明していく形で各章が構成されている。
世界というのは国とそこに暮らす人々についてである。
各章の最後にはまとめがあり文章も読みやすいものになっている。
- 分断本能
- 本当に分断があるのか?大多数はどこにいるのか?を考える
- 平均の比較があったら分布を重ねよう
- 金持ちから見たらみんな貧乏人だが、貧乏にもレベルがあって購買力や教育にかけられるお金など違いがある。
- ネガティブ本能
- ネガティブなニュースのほうが耳に残りやすい
- 悪いけど改善している。は存在しうる
- 良いことはニュースにならない
- ゆっくりとした変化はニュースにならない
- 悪いニュースが増えたことが悪いことが増えたことにはならない
- 過去は美化される
- 直線本能
- グラフは必ずしも真っ直ぐではない
- S字や滑り台の形のフラフもある
- 恐怖本能
- リスクを正しく計算しよう。恐ろしいことには自然と目が行くもの
- メディなどのフィルタによって世界を必要以上に恐ろしく見ない。現実をさがす
- リスクは、頻度x危険度で決まる。恐ろしいかどうかは関係がない
- パニックになっていそうだったら落ち着いてから行動しよう
- 過大本能
- 特定の数字の大きさだけに惑わされないこと
- 大きすぎるもと思ったら比較しよう
- 数値が並んでいたら大きいものだけ見よう
- 割合を考えてみよう
- パターン化本能
- パターンが根拠になっていたら気をつけよう。そのときには分類を考える
- 同一グループ内でも違いがある。それを探そう
- 違うように分類されたグループにも共通点があるので探そう
- 過半数と言われたた気をつけよう99%か51%か
- 強烈なイメージは例外かも?
- 自分以外もかしこい。賢いやり方か自問しよう
- 宿命本能
- 宿命に思えることでも変化していることがある
- 小さな進歩を追いかける
- 知識にも賞味期限がある。更新しよう
- 文化が変わった例を歴史から調べよう
- 単純化本能
- 何でもかんでも同じ道具で処理しようとせずに、道具箱にいろんな道具を入れておこう
- 違う意見の人からフィードバックを貰おう
- 犯人探本能
- 見せしめだと感じたらやめよう
- 犯人ではなく原因を探そう
- 焦り本能
- 今すぐ決める。のはやめよう。即決が必要なことなどほぼない。
- 焦りそうなら深呼吸をしよう。今すぐやらなくても次のチャンスが有るのが普通
- 重要で正確なデータだけを見よう。重要だけど正確じゃないもの。正確だけど重要でないケースは木にする必要はない。
3択問題で、チンパンジーよりも正答率が低いものがあるということが、思い込みの中で生きているのだということがわかって良い。
生活レベルの話はとても良い。レベル4の我々からしたら、他はすべて貧困だが、実態としてはレベルが4つに別れており、1~3にも緩やかな発展と違いがあるということが認識する必要がある。
レベル1のひとからしたらレベル2はとても豊かなのである。
生活レベルの話はとても良い。レベル4の我々からしたら、他はすべて貧困だが、実態としてはレベルが4つに別れており、1~3にも緩やかな発展と違いがあるということが認識する必要がある。
レベル1のひとからしたらレベル2はとても豊かなのである。
僕は著者を知らなかったけど、有名な方みたいです。
最後に著者が亡くなられていることが記載されており、いい本を書いた人が他界していて、物語としてもドラマチックになっている。