2019年1月2日水曜日

日本国紀

良い本です。学生の歴史の授業の副読本になってもよいのではないかと思います。
神話の時代から現代に至るまでが網羅されている。
著者の思いも綴られているので、客観的かと言われると微妙な面もあるが、だからこそ読み物としては面白いです。
日本の歴史の概要をこの本で読んで疑問に思うのは、江戸の末期から明治にかけて実力主義で明治維新を成し遂げて、ロシアと戦争して勝つほどに近代化を成し遂げた人たちの次の世代が、昭和に入って官僚主義や言霊主義などに染まって、無能とも思える判断をする集団になってしまったのかということだ。
本からは、世界恐慌の影響による経済的な不満が国民に溜まっているところでの軍人のクーデターがあり、それを許容する世論に後押しされる形で、軍人が政治に介入するようになってから日本がおかしくなったようだ。
もともとは、軍人と政治家は一つであったが、分業した後の軍人は、現実的な計画を立てることができなかったのであろうか。それだとしたら、軍人としてずいぶんと無能であるが、なんで現実主義者が育たなかったのが、やはり疑問として残る。

追記:
なんだか事実誤認があるとかコピペがあるとかいろいろ話題にもなっているようである。
読み手としては事実ならばコピペなんて気にならないけど、事実でない内容はちょっと困りものである。やはり単なるエンタメですかね。

追記2:
日本人とは何か。神話の世界から近代まで、その行動原理を探る
の方が内容が濃いです。日本国紀は少々内容が薄いと感じました。

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