2020年1月16日木曜日

イスラム教の論理

著者の飯山 陽は、他のイスラム教の研究者からは批判されることもあるようだが、本書は明らかに良書。
西洋の価値観と違った価値観の世界があることを記述している。
社会主義国家に対しても言えることではあるけど、西側の視点でだけ世界を見るのではなく、いろんな視点が存在するという事実を認識するのは大事だと思う。
内容的には、イスラム過激派がコーランをどのように解釈しているのかを繰り返し述べている。
ちょっと内容的には、繰り返しが多い気もするが、それだけテロを正当化する論理にバリエーションがあるということなのだろう。
イスラム教の論理ではジハードを根拠としたテロ行為を論理的に否定することは難しいという現実があることは分かった。

他のイスラム教の研究者から嫌われるというのもちょっとわかる気がする。
日本人が感じるイスラム教への違和感などについて、正面から一つの回答を出そうとしているだから、それが出来ていない研究者からしたら目障りにはなると思う。
学者としては、回答がない疑問への答えを見つけようとする試みは、褒められるべきだが、そういった評価ではないというのは、日本のイスラム教の研究者社会は学術的価値をあまり生み出していないのかも等と邪推してしまう。

https://www.amazon.co.jp/dp/410610752X/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_70YhEb5AM6FFJ

0 件のコメント:

コメントを投稿