2020年1月30日木曜日

平成金融史

平成のバブルの発生から現代までを追ったドキュメント。
バブルといえば、派手なイメージしかないし、景気の過熱と思っていたけど、長期的に低金利で、高金利はバブルがはじけ始めてからというのがわかる。
金利を上げたいけど、物価上昇がないから金利を上げられない日銀が招いたことと言われても仕方がない気もする。将来を全員が予想できると思う始めると過剰にリスクを取り始めて、それがバブルにつながるということだ。
現在も、低金利が続いていて株価が上がりつつあるので、当時と近しい部分もあると思う。当時と違うのは株価の上昇のそれなりの割合が、日銀による買オペの結果だということだろうか。

自分のように80年代生まれだと、この本に書いてあることを子供のころから実際に見ているので、非常に面白い。
「中央銀行」を読んだ際にはみんな官僚なども含めてバブルに誠実に向き合ったような印象を受けたが、実際には自分の任期中にはトラブルを起こしたくない官僚や大きすぎて潰せないと思い込んで、もはや退場すべき会社を生き永らえさせているような政策をとってしまう日銀や政府といった面も見えてくる。
退場すべき会社の下支えは現在も行われているように思える。日銀の買いオペは、その例といえると思う。

今では考えられないが、昔は都市銀行が21行もあり、それが統廃合を進めた結果3つになったのだから驚きだ。

不良債権処理計画も当初から10年単位の計画が組まれており、失われた10年などというが、失われるのが計画された10年といえる気もする。

当たり前ではあるが、現代へとこれらの状況が地続きであるから、現状の日銀の資産や打ち手の出口の見えなさなどに不安を覚える。


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