2025年6月28日土曜日

出雲王国と天皇政権

 読むのにだいぶ時間がかかった。

内容的には、日本書紀や古事記以前の日本の歴史について、地域の伝承等をもとに話を展開している。

日本書紀等が作られる以前から、日本という地域に複数の国があり、それが争いなどを通して、統合されていって日本になったというのは、自然なことであると思うが、それを示す歴史の資料などもなさそうだし、こういう本で明らかにするという意味では面白い内容である。

ただ、文章が、面白くないし、資料やわかったことの羅列になっているので読み通すのは専門家でないと苦痛なんじゃないかと思う。

面白い内容だから、残してはおくけど、結局は歴史的な資料の不足などで想像の域を出ない本になるんじゃないかなと思う。

2025年6月22日日曜日

量子力学の100年

 自分が物理を学生時代にやっていたというのもあり、面白く読めたが、正直読者を置いてきぼりにした専門家向けの本という感じであった。

数式はないけど、物理を知らないと意味などわからないだろうと思う。

量子力学で、物質の実在性というのが、業界的にも明確な結論がないまま、道具としての量子力学を利用することで、物理も社会も発展した。

ただ、いまだに実在性についての結論は今もないままなのだというのを丁寧に解説している。

量子力学は確率を使うが、すでに熱力学で確率の考え方をしているのだから、その時から確率を利用した考え方は物理の世界にあったけれども、学者も実在性について古典物理的な理解を捨てることもできないので、見ないようにして研究が今も進んでいるし、それで特に問題ないということらいい。

量子力学が、確率を利用しているのは知っていたけれども、熱力学もそうであるというのは言われてみればその通りである。

また、物理の研究はモデルを実験データで確認してモデルの正しさを確認する流れであったが、データからモデルを導出するようなデータサイエンスもあり、元々量子力学とは別のところから発生したものであるが、確率や統計を使うという点で量子力学に応用されたりもしているらしいというのは、面白かった。

様々な資料を元に書かれているので、手元に置いておいて後から見直したい本ではあるが、専門に触れたことない人にはあまり価値はないかも。

2025年6月15日日曜日

米中もし戦わば 戦争の地政学

 地政学的に中国がどういう状況にあって、戦争のリスクがどのようなところにあるのかを解説してくれている。

中国は、中国共産党支配を盤石なものにすることが目的であり、国民を犠牲にする選択肢もある。

海路の確保は重要であるが、それとともにアメリカのアジアにおける影響力を排除することで、中国が再び侵略されたりするのを防ぐことを確実なものにしようとしている。

中国は不透明でわからないが、外部の輸入に依存している部分が大きいので、経済活動が緊密だと言っても戦争のリスクが減るわけではないというのは面白い。

また、戦争のリスクだけではなくて、経済的にも中国に工場を移すことでアメリカの経済が弱くなったり、技術の流出があるという内容があり、現在のトランプ政権の保護主義と繋がりを感じる。

最近は、関税で中国と良い方向で話ができたという報道もあったが、根本的な考えが、安全保障上の理由もあり中国を締め出していくことにあるならば、関税を引き下げたり自由貿易を推進することはないと思う。

アメリカは、西側諸国とのみ貿易をして中国を締め出し弱体化させる。

この路線を変えることはないと思う。

2025年5月31日土曜日

フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔

ノイマンの伝記ではあるのだが、近代において非常に重要な影響を各所に及ぼした点を網羅的に扱っている。
網羅的ではあるが、ただの報告のようにはならずに、それぞれ物語があり、読み応えもあった。
誇張があるのではないかなと疑いたくなるほどに、成果が広範囲で基礎的すぎて、天才では言葉が足らないなと感じる。現代文明を支える科学技術の始祖みたいな描かれ方をされている。
実際に、そういう成果を残したのだと思う。
時系列ではあるので、どれほど急速に時代が変わったのかもわかって、第二次世界大戦時に世界がどれほど急速に変わったのかというのが、科学の視点から克明に描かれていると思う。
Kindleで読んでいたけど、保存用に紙の本も買ったくらいには面白いものであった。

2025年5月1日木曜日

敗者のゲーム[原著第8版] (日本経済新聞出版)

 とにかくIndex投資をしろって内容。

個別株に投資したとしても勝てる可能性は低く確率的に考えればIndex一択って話が延々と続く。

手数料もバカにならないしという感じ。

投資自体の話もだが、そもそもの資産形成の考え方について教えてくれる本だと思う。

そもそも何で貯蓄したいのかや将来どう使いたいのかなど。

債券や証券も基本的には利益に結びつかないので、株のIndex投資をしろってことだけが書いてある。

かなり説得力がある。資産形成はIndex投資で行い。個別の投機は別予算で行うなどの分別が必要になりそう。

子供にも読んで欲しい本ではある。

2025年4月21日月曜日

エレガントパズル エンジニアのマネジメントという難問にあなたはどう立ち向かうのか

 序盤は、エモいことだけ書いてあって実務で役に立つことは書いてないのかなという印象で、読むのをやめようかとも思ったが、読み進めるとよい内容が書いてあったので、買ってよかった。

コントロールを見極めるというのが個人的には特によかった。

マネジャーのマネージャーになったときに、どうかかわるかだ。

自分がやる、事前に確認する、レビューする、メモで伝えてもらう、驚かない程度に把握する、手伝えることがあれば教えてもらう。

などの段階があり、かかわり方についてがわかりやすくまとめられている。

また、ドキュメントの役割などいい話が書いてあるので、マネージャーは必読だとは思う。

ただ、少々翻訳がわるいのか理解が難しい箇所もあるので、そこは改善してほしいなど思った。

翻訳している人もわからないなりに翻訳しているのかもしれないという印象を受けた。

2025年3月31日月曜日

図解入門ビジネス 最新目標管理フレームワークOKRの基本と実践がよ~くわかる本

書いてあることは正しいんだろうけど、経営者が導入に協力しないと導入できないですよ身もふたもないことから始まる。

正しいんだろうけど、経営者が興味持っていたり、経営と近い役職の人がいればもうOKR導入されているだろうとか思う。

現場の人が読む本じゃないです。

また、後半は具体的な事例になっている。

うまくいっていない会社が、OKRの導入でうまく回り始めたというようなストーリーがいつくかある。

ただ、別に売上が上がっているわけでは無さそうだ。

企業活動やマネージメントの辛いところだけど、売り上げとそんなに関係なさそうなところだな。