自分が物理を学生時代にやっていたというのもあり、面白く読めたが、正直読者を置いてきぼりにした専門家向けの本という感じであった。
数式はないけど、物理を知らないと意味などわからないだろうと思う。
量子力学で、物質の実在性というのが、業界的にも明確な結論がないまま、道具としての量子力学を利用することで、物理も社会も発展した。
ただ、いまだに実在性についての結論は今もないままなのだというのを丁寧に解説している。
量子力学は確率を使うが、すでに熱力学で確率の考え方をしているのだから、その時から確率を利用した考え方は物理の世界にあったけれども、学者も実在性について古典物理的な理解を捨てることもできないので、見ないようにして研究が今も進んでいるし、それで特に問題ないということらいい。
量子力学が、確率を利用しているのは知っていたけれども、熱力学もそうであるというのは言われてみればその通りである。
また、物理の研究はモデルを実験データで確認してモデルの正しさを確認する流れであったが、データからモデルを導出するようなデータサイエンスもあり、元々量子力学とは別のところから発生したものであるが、確率や統計を使うという点で量子力学に応用されたりもしているらしいというのは、面白かった。
様々な資料を元に書かれているので、手元に置いておいて後から見直したい本ではあるが、専門に触れたことない人にはあまり価値はないかも。
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