2025年1月25日土曜日

Tidy First? ―個人で実践する経験主義的ソフトウェア設計

 一昔前ならば、ソフトウェアエンジニアであれば一冊は持っておいて良い本だと思う。

コードの書き方や開発の仕方自体について基本的なことが網羅的にまとめられているので良本だとは思う。

ただ、今の時代にいるのか?というのは思う。

例えるのは難しいけど、車の正しい運転の仕方とか作法ってあると思うんですよ。タイヤを長持ちさせたりとか車自体を長持ちさせるような。でも、そんなの知らなくても今時のタイヤとか車って壊れたりしないし。知っていて損はないんだけど、物好きな人は知っておけばいいんじゃないかな歴史として、機械工学科の学生とかは、でも現実には知る必要ないよね。

みたいな内容に感じてしまいました。

 AIが記述するコードは、こういう過去の知識を土台にしているので、存在すること自体には価値はあるんだけど、改めて新しい書籍として学ぶ必要があるかというと微妙だなという感じです。

ギリギリ、今は知っていてもいいかもですが5年後にはもう必要なくなっている知識の再まとめという印象でした。

ソフトウェアの開発の仕方やそれに従事する人間の関わり方も5年くらいで急激に変わりそうな気配を日々感じるので、こういう感想になってしまいました。

2025年1月16日木曜日

その問題、経済学で解決できます。

 正直期待外れであった。

経済学で解決できなさそうな問題について、経済学で迫るとかいう内容ではない。

貧困とか教育とか、そういう問題に経済学的な知識というよりは比較実験をするための知識を使って取り組んだ記録という感じの内容。貧困とか教育格差に興味が強くなければあまり面白くはないと思う。

重要なテーマではあるんだろうけど、本のタイトルから想像した内容とは違っていた。

インセンティブを与えてから、目標達成ができなければ、それを没収する方が効果が高いとか知見はあったけど、それだけだった。

比較実験をすると、物理学実験とは違って、対象が人間だったりすると完全に同一な条件を揃えて対象の部分だけ違うようにするのが難しかったり、対象に対するバイアスがかかったりして、実験が真に科学的ではなくなりがちだったりするわけだけど、それをどう科学的に正しい実験にしていくのかとか、統計的な意味を見つけ出して課題解決まで持っていく方法とか、そういう内容を期待したけど、実際には貧困とか教育の問題に対する宣伝のように感じた。