2023年3月12日日曜日

中国史とつなげて学ぶ日本全史

 日本と中国の関係性を描きながら日本の歴史の概要を追いかけていくような内容になっている。

歴史の本は大抵そうなんだけど、一つ読んだだけだとわからないけど、すでに概要を知っていると面白くなるものもある。これもそんな本。

日本はやはり中国から見ると遅れていて、それは日本も自覚していて、なので中国の真似をするところから国家の形が出来ていく。

そして、温暖化と共に世界的にも中央集権というよりは、地方に分割された統治をさせるようになっていく。そして、寒冷化でまた政権が変わると言うのが面白い。

最近の歴史の本を見ると、単なる権力者の行動の結果だけでなく、地理や気候も研究の対象になっているのが非常に面白い。

江戸時代に入ると分業が進み経済が発展することで人口も増えていっている。

明治に入って、日本と中国の西洋に対する対処の仕方が、国家体制とか文化にかなり依存していて、それが行動に大きくなる影響しているのが非常に面白かった。

日本は西洋から知識を得ていくために、日本に存在しない言葉や概念を漢字に置き換えて翻訳していった。日本は単一民族国家で文化的なまとまりがあったので、漢字に置き換えれば全国的に学ぶことができた。

一方で、中国は、元々、さまざまな民族の集合体であるので、新しい言葉をそのまま全国に広めることができなかった。どうするかというと、中国の昔からある概念に置き換えて、広めていく。附会というらしい。

なので、西洋の本質的な理解には及ばなかったし、過去の古い物をづっと維持し続けなければならなかったらしい。

これは、なんとなく現代の韓国が、なんでも韓国に起源がると主張しているのと似ているなと個人的には思った。自国の何かと紐付けないと外部の価値あるものを価値あるものとして輸入できない文化的事情がある。なぜなら他民族で文化がバラバラだから、すでに共通の価値認識があるものに置き換えないといけないのだ。

日本以外のアジア諸国に共通する部分らしい。

また、沖縄は昔から日本かというと、そんなことはなくて、本当に明治まで独立国家で、中国にも従っていたが、日本にも従っていて、微妙な立ち位置の独立国だったようだ。

それを日本が併合して、琉球王朝が消滅したのが150年前くらいなのだから、ほんとに最近だ。

そして、日本は同じようなことを台湾にもしようとしていた。


中国の国家としての特性や日本との違い、沖縄の状況など非常に面白い本ではあった。

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