2016年12月11日日曜日

虚実妖怪百物語 序

好き嫌いがかなり別れる作品だと思う。

実在の人物を出すのはいいけれども、全体的にパロディーに思えてなんだか純粋に楽しめなかったです。
ファンサービスといえばそうなのだろうけれども、内輪ノリとも言える。

京極夏彦のフィクションの物語だと思って読むとガッカリすると思います。
妖怪とかSFとかそのような分野についてそれなりに詳しい人が読めばきっと楽しめるのだろうとは思います。

2016年11月12日土曜日

〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則 Kindle版

Kindle版を買いました。
気に入った本はやはり紙で欲しくなりますが、そうでもないものは電子的なものでよいのです。
こちらは後者でした。

BECOMING
すでにインターネットの革命は一段落ついたように思えるかもしれないが30年後から見れば、まさに今、変化が始まったと思えるだろうという話

COGNIFYING
認知し学習し改善するAIなどの話。計算処理能力、扱えるデータ量、アルゴリズムが桁違いに進歩した結果、今までにない成果が出始めている。また、それらに物理的に活動する体を与えたロボットは更に世の中を変えるだろう

FLOWING
所有されていたものが、情報として流れ続けているものを消費する時代になっている。そしてそれらはだいたい無料。無料よりも価値のある性質は、即時性、パーソナライズ、解釈、信頼性、アクセス可能性、実体化、支援者、発見可能性。
固定化されたもの→どこにでもあるもの→共有されるもの→消費者が生産者にもなる

SCREENING
ただ表示するのではなく、表示されているものが相互に関連付けが行われて結合していく。
切り貼り可能で、また再編集も可能。2次創作も成立しうる
また表示はそこかしこにあり形態も多様化する

ACCESSING
所有するのではなく、必要なときにアクセスする権利を所有する時代。

SHARING
シェア、協力、コラボ、集産が究極まで行くと、ほんの少しのプロダクトへの貢献がきちんとした稼ぎいなったり、自分が遊んでいる空間での稼ぎで、その空間の利用料を支払ったりとか。

FILTERING
大量すぎる情報、必要なのは 評論家(ゲートキーパー)、仲介者、キュレーター、ブランド、政府、文化的環境、友人、われわれ自身といったフィルター


REMIXING
コピーされ共有されるので、切り貼りされて組み合わされてオリジナルとは別のものが生まれるだろう。

INTERACTING
VRにおける体へのフィードバック
感覚は増えつつけて、常に周りにあり続けるようになる


TRACKING
あらゆるものが記録される様になる。際限なく広がり続けるだろう。トラッキング出来るものが増えていくとその組み合わせにより新しいものが生まれるだろう。個人を特定するのは、パスワードなどではなく、行動の癖などのパターンになるだろう

といった感じのことが書いてあったかと。
それぞれに極限まで変化していった場合に、自分の関わっている業界がどうなっていくのかを考えるのは面白いかもしれないと感じた。


2016年11月6日日曜日

考具

アイディアを出してまとめて企画にするための方法が書かれた本。
わかりやすいし、良い本です。すごい重版されるのもわかる。

最初のカラーバス、マンダラート、オズボーンのチェックリストは道具。って感じだけどそれ以外はみんな知っていたり、普通のことだったりする。

道具として認識して実践するかどうかが大事なんだろうなというところ。

自分は別に企画者じゃないけれど、アイディアを仕入れるところとかは、別にどんな職種でも必要なことであろうし。

アイディアが既存のアイディアの組み合わせに過ぎないのであれば、アイディアの元ネタをいかにふくらませることが出来るかも大事だと思うけけど、その具体的な方法とかもあってとてもためになる

2016年10月30日日曜日

素数憑かれた人たち

数学的な説明と歴史的な説明が交互に入って読みやすいものではあった。

フェルマーの最終定理などとは違って、リーマン予想はまだ証明がされていないので、終盤に盛り上がりがかける部分があるのは仕方がないかも。

素数個数関数と対数積分関数の差が無限に広がっていくと思われていたのが、差が縮まって逆転する点があることが証明されたあたりが物語的にはピークだろうか。

その点の値があまりに大きくて、数学的な証明の中で現れた最大の数として「スキューズ数」と呼ばれているとかのわかりやすく面白い。

その後には、物理やカオスとの素数とのつながりのようなものが解説されるが、いまいちすっきりしないので、やはり証明が行われた予想についての物語を読んだほうがよさそうだ。